一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~


「こんにちは天野由衣子さんね」

「はい。天野です。よろしくお願いいたします」

「どうぞお座りになって」

私は促さるままに目の前の座った。先生は受付で書いた問診票に目を通すと、「じゃあ、調べてみましょうか」と言ってにこりと微笑んでくれる。

一度診察室を出ると、尿検査。そして内診室へと呼ばれた。看護師さんの言うとおりに下着を脱いで目の前の椅子に座る。するとカーテンで仕切られた向こう側で先生が私に声をかけた。

「天野さん。エコーで見てみるからリラックスしててね」

私は緊張で汗ばんだ掌を握りしめて先生の言葉を待った。すべてが初めての経験で、ただでさえ不安でいっぱいなのに、本当に私のおなかの中に新しい命が宿っているかもしれないと思うと、心臓が痛いくらいに騒ぐ。

「妊娠してますね」

「……え?」

「横の画面を見て」

「はい」

 先生に言われて、私は右の壁側につけられた液晶画面をじっと見つめる。

「小さな丸が赤ちゃん」

「……ああ。みえました」

それはまだとても小さいけれど、確かに私のおなかの中にあるひとつの命だ。どうしようもなく愛おしくて、しっかりとこの目で見たいと思うのに、どうしてだろう、涙でにじんで見えない。

内診を終えた私は診察室でエコー写真をもらい、もろもろの注意事項を受け、次の受診の予約を入れた。

「ありがとうございました」

先生に頭を下げ診察室から出ると、游さんが勢いよくソファーから立ち上がった。

「由衣子ちゃん、どうだった?」

 そう聞かれた私はそっとおなかに手を当てた。

「やった! 本当に?」

「はい。いました。ここに、赤ちゃん」

 そう言い終わらないうちに游さんは私を力いっぱい抱きしめる。

「ありがとう由衣子ちゃん。大切にする。君も、この子も」