一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~


「紘子にも、報告しなきゃ」

「そうだね、今度時間を作って会いに行こう」

「はい」

「でもその前に」そういった游さんは赤信号で停止したタイミングで、私の手をそっと握った。


「今朝の話だけど、いちど受診していたらどうかな? 胃の症状も、気分のムラも、妊娠の症状じゃないかと思う。それに、思い当たることがないわけではないからさ」

 いつもはきちんと避妊している私たちだけれど、ひと月以上前に一度だけ勢いに流されてそのまましてしまったことがあった。

「もし、妊娠していたら?」

 私は恐る恐る聞き返す。

「産んでほしい」

 信号が青に変わる。游さんは惜しむように私の手を離すと、ハンドルを握った。

「結婚は仕事のことでけじめをつけてからって思ってたけど、そうなったら話は別だよ。今すぐにでも入籍して、産まれてくる子供のための準備をしよう」

「はい」





 游さんに促されて、私はその週の土曜日に産婦人科を受診した。

お腹の大きな妊婦さんや、新生児を連れたお母さんに囲まれて待つ時間は、自分の未来を見ているようで楽しい。

「なんか、緊張してきた」

 私の隣で游さんは言った。

「なんで游さんが緊張するんですか?」

 私が緊張するのは分かるけど、游さんンはただの付き添い。

「なんでって言われても、するものはするよ」

「医者のくせに~」

「それ、関係ないでしょ」

 そんな言葉のじゃれ合いをしていると、私の名前が呼ばれた。

「じゃあ、行ってきます」

「うん、いってらっしゃい」

診察室の中に入ると、綺麗な女医さんが私を迎え入れてくれる。