一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~


「やめて下さい! そう言うんじゃありませんから」

 まさか妊娠を疑ってるのなんて。確かに生理不順で、遅れ気味ではある。だからって、私と結婚をするつもりのない游さんにいたわって欲しくなんてない。

「そう。ならいいんだけど」

「ごめんなさい。今日、会議があるのでもう出ます」

 私は急いで着替えを済ませると、マンションを飛び出した。

「昨日の夜、話があるって言ってたっけ。本当はそれを聞いて欲しかったのかも」

 朝食まで用意して、話したいことって何だろう。別れ話ではなさそうだった。

じゃあ、なんだというのか。満員電車に揺られながら、また悲しくなってくる。

心の淀みが掻き回されて、吐き気が込み上げる。でも、こんな所で吐くわけにはいかず、必死で耐えた。

本当に私、どうしちゃったんだろう。

情緒不安定極まりない自分に不安を感じずにはいられない。それは仕事をしていても変わらず、取引先のクレームに思わず反論してしまった。菱沼さんのフォローで事なきを得た。

「最近おかしいよ、天野」

 その通りだと思い机に突っ伏す。

「久しぶりに飲みにでも行く?」

「……はい」

 菱沼さんに話を聞いてもらったら、少しは楽になるだろうか。そう考えた私は、体調のすぐれないまま、飲みに出掛けた。