「游はどうなの? 由衣子ちゃんとの結婚。そろそろかなって考えたりしてんだろ! 教えろよ~」
酔っぱらった慎一郎さんは、游さんに絡む。それは私も知りたい。私は游さんの答えに期待した。でも、游さんはひどく冷静にこう答える。
「……いいや」
慎一郎さんの顔が凍り付く。紘子は私をチラリとみて、「なに余計なこと言ってんのよ」と小声で言いながら慎一郎さんを叩く。
「慎一郎ってば、酔っぱらってなにいってんだか。ほんとごめんね。こういうことはタイミングもあるし、まあ、私としては二人が仲良くやってくれればいいのよ」
紘子のフォローはありがたかったけれど、私は笑うことすらできずにいた。
それからみんなで何を話したのかも覚えていない。
気づけばお開きの時間になっていて、よたよたとしながら玄関先で靴を履いていた。
「由衣子ちゃん、飲みすぎだよ」
游さんは私の腰を支えて駐車場まで連れて行く。
「ほら乗って。……あれ? そう言えばバックは?」
「……あ、ない。置いてきちゃったみたいです」
「そっか。じゃあ、取に行ってくるから中で待ってて。すこし冷えてきたからエアコンかけておくね」
「ごめんなさい」
游さんは車のエンジンを掛けると、紘子の部屋まで戻っていった。


