予定していた時間より少しだけ早く紘子の住むマンションへ到着した。ゲスト用の駐車場に車を停めて、エントランスでオートロックを解除してもらうと久しぶりに紘子の部屋へと向かう。
慎一郎さんとの同棲が始まってからというもの、紘子の部屋に遊びに行くこともなくなり、親友を奪われた気がした私は、慎一郎さんに嫉妬せずにはいられなかった。
けれど、紘子が幸せならそれでいいかと自分自身をなだめたりした。
「いらっしやい、由衣子。游さんも。わざわざ呼び出したりしてごめんなさい」
紘子に案されて部屋の中に入る。リビングのテーブルの上には豪華な料理が並んでいる。
「こんばんは、由衣子ちゃん」
「慎一郎さん、お久しぶりです。ていうか、お会いするの二度目ですね」
「そうだね、あの飲み会以来だ」
慎一郎さんは笑って言うと、ソファーに座るように促す。
「游、悪かったな。デートだったなんて知らなくて」
慎一郎さんは私に続いてリビングに入ってきた游んさんに手を合わせる。
「こういうの、こんかいきりだからな」
「分かってるって、ほら、由衣子ちゃんの隣に座れよ」
游さんが私の隣にすわると、テーブルを挟んだ向かい側に紘子と慎一郎さんも座った。


