一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~


 荷物を車に乗せ、私たちが次に向かったのは雑貨店。

「これ、おそろいにしませんか」

 かわいいマグカップを見つけた私は二つ手に取って游さんに見せた。

「ペアマグなんてベタかもしれないけれど、かわいいと思いません?」

「うん、かわいいと思うよ。買ったら?」

 游さんは私の手からマグカップをヒョイと取り上げると、カゴを手に取って入れた。

「あとは?」

「あとは、スリッパ!」

「じゃあ、あっちかな」
 
二人でする雑貨選びほど楽しいものはない。

あれこれと手に取りながら店内を回っていたら、いつのまにかカゴの中はいっぱいになってしまった。

「他に買うものは?」

「ないです」

 レジで游さんはまたカードを出してくれたけれど、私はお礼だけ言って自分の財布を出した。

「これは私からのプレゼントにしたいんです。そうさせてください」

 平等とはいかないけれど、できるだけ偏りのない関係ではいたい。奢られてばかりはやはりいや。

そうあえては言わなかったけれど、游さんは「ありがとう」と言ってくれた。