一途な外科医と溺愛懐妊~甘い夜に愛の証を刻まれました~


 それから昼近くになると、インターフォンが鳴った。

出ていいものか悩んでモニターを覗くと、デリバリー業者のよう。

「はい」

 私は遠慮がちに応答する。すると「永峯様からのご注文です」と言われ、游さんが書いたメモの一文を思い出す。

「“昼ご飯はフレンチのデリ”ってこれのことか」

 オートロックを解除し、乾きたての下着とブラスを洗濯機から出して着ると、スーツのスカートをはいた。
ちょうどインターフォンがなり、私は玄関へと走っていく。

「お待たせいたしました。お代はカードでいただいてますので、ございません」

 「どうぞ」と渡された紙袋はずっしりと重い。

「あ、はい。ありがとうごさいました」

 私はそれを受け取ると、リビングのテーブルの上に広げた。魚貝のマリネに、鰆のポワレ。イベリコ豚の赤ワインソースと、アスパラの冷静スープは鮮やかな緑色だ。別の箱にはパンと、フルーツが付いている。

「おいしそう」

 病み上がりだというのに見た目の豪華さについつい食欲がわいてくる。きっとそこまで考えて選んだのだろう。游さんらしい。

私は少しずつ取り分けて食べると、残りは冷蔵庫にしまった。どれもとてもおいしくて、游さんにも食べて欲しかったのだけれど、おそらく普段から食べ慣れているに違い。
ということは、今まで私が作ってきた節約料理をどんな気持ちで食べていたのだろう。なんだかとっても恥ずかしい。これからは游さんの好みのものを作るようにしよう。
私はまたパソコンを開くと料理のレシピを検索しながら游さんの帰りを待った。