【山崎烝】



一度、人の優しさや温もりを知ると

元には戻られへんもんなんやな



新選組の為に、自分が何をするべきなのか



正直、まだわからへん






ただ…





相部屋解消してから、時々してる

総ちゃんの咳…

多分…

労咳ちゃうかな…


それを確かめる為、相部屋に戻して貰った


何せ不衛生な屯所や

他の隊士らも体調不良者が増えてかなわん


「副長 一度、隊士の健康診断を
してもらえたらと思います」



近藤局長の計らいで、江戸の奥医師

松本良順先生が屯所に来てくれた



厳しく指導を受けた



風邪ぴきや、軽い持病、そして

総ちゃんは、労咳と診断された



「烝…まだ、内緒にしてくれる?」

「うん ええよ」

「烝 気づいてたから
相部屋に戻したんでしょ?」

「咳…しとったんみたさかい」

「移ったら嫌だから、部屋貰いなよ」

「移らへんし
それよか、速う治して貰わんとな?
ほら!あの…ね!ややこ見せるてな!」


アホや


何、誘ってんねん



「そうだね
烝… 僕、そういうの経験ないから
よろしくお願いしますね!」


意外に乗り気やん

お願いされても… 困る

だって…



「あの… 一回襲われただけで…
どないしたらええのか… 堪忍!!」



かといって、副長やら永倉やら聞くわけにはいかんし



「烝!!永倉君の部屋に行こう!!」

「まて!そら、あかん!!」

「なんで?」

「一番あかんやつや!おもしろがられて
らかわれて、終わりや!」

「それもそうですね~」

「焦らんかてええやん
まぁ ええ歳いってるから
ちょっと、不安やけどな」


屯所内でこんなにゆっくり話ができるのも

相部屋のおかげ


ドンドン


隣から壁を叩く音


「副長がお呼びや
ほな、また夜に話そな!」

「はい いってらっしゃい」