とりあえず正装したが、山崎はいたって

普通

普通と言っても、良いとこの娘の格好

「どうぞ」


すんなり入れたことが気持ち悪い


通された一室で、静かに待つ


廊下から足音がして、頭を下げた


上座に座る前に山崎の前にやってきた


「烝…」

「申し訳ありませんでした」

「よく無事に…新選組に助けられたのだな
褒美を出そう
烝!!会いたかったぞ!!」

「あの…」

「よいよい!戻ってくれてよかった!」

「ちょっと…」

「子は、どうした?」

「や…」

「わかった…何も言わぬでよい
辛かったのぉ
それで…」

「聞けや!!挨拶しにきとんねん!!」

「おお、これはすまんな
とはいえ、新選組の噂はよく聞いておる
近藤 土方 沖田 烝が煩くて大変だろう
すまなかったな」

「統仁!降ろせ!!」

すっかり膝に抱っこされている山崎…
想像と全く違う天子様

「照れることは、ない!
側室にする約束であろう!」

「離せ!!ボケ!!
側室になんか、ならへん!!
うちには、ちゃんとした想い人がおんねん
離せ!!」

「なんだと!!
烝は、てっきり私を好いていると…」

「好きだなんて、一言も言ってへん!
統仁が、勝手に襲って出来た子やん!
せやから!側室にならへんて喧嘩したんやろ!?」

「ほぉーーてっきり恋仲であると…」

「どこらで、そんなん思ったか知らんけど
十年以上も音沙汰なしで、ホンマ堪忍」

「無事ならよいと言っただろ
烝の顔をみればわかる…
武士になりたいんだろ?」

「うん」

「なら、なればいい」

「天子様 山崎は、新選組になくてはなりません!お許し頂き、ありがとう存じます
大事に致します!」

「烝の想い人は、お前か?」

「僕です!沖田総司と申します!」

「若いのぉ~」

「若くても、総ちゃんしっかりしてんねん
助けて貰ってばっかりやねんで」

「今年も風邪をひいたか?」

「まぁ」

「夙子が、烝の為に作ったものがある
また、寒くなったら使え」

「うわっ 暖かい上着やん!おおきにて
伝えてや!」

「相変わらず屋根裏か?」

「や、総ちゃんと相部屋になるから
これからは、たまに布団で寝るで!」

「そうか!子が出来たら見せに来いよ!」

「「え/////」」

山崎も総司も

そういうことは、考えてなかったらしい

「必ず連れて参ります」

近藤さんが代わりに返事をしてくれた