「山崎、近藤さんと一緒に、大阪へ行ってくれ!」

「はい」

「僕も行きます!!!」

「なんで、総司が?」

「ごっ… 護衛です!!!」


最もな理由をつけた沖田と、三人で大阪へ



「あら?岸三やん!!」

「や!おばちゃん!久しぶりやんな!」


以前、篠塚岸三という偽名を使って

仲良くなった宿屋へ

タダで泊めて貰うことに


「ホンマにええの?おおきに!!」

「岸三のお友達はんが一緒やさかいな!」

「ほな、わて手伝うたるわ!!」



このおばちゃん、大好きやねん!



夕餉の支度やら手伝った

部屋に戻ると、近藤局長と沖田は

雑談に花を咲かせていた



沖田は、近藤局長を尊敬してんやな

ワイが、土方副長を尊敬してんのと

同じやな



「山崎君って笑わないのかと思ったけど
あんなに愛想良くできるんだね?」





トゲがある言い方やなぁ





「こら!総司!
いや、気分悪くしないでくれよ?
私も、君と仲良くしたいと思ってね」


近藤局長は、沖田の尻拭いうまいな


「俺は、馴れ合う気はありません
土方副長の命令であれば、お二人にも
愛想振りまきますけどね」



ペコリとお辞儀して、布団に潜り込んだ



「いちいち嫌な奴!!!」



沖田のイライラした声が聞こえていたが

寝たふり!!



必要以上に近くと、女やってバレる


それに


なんや、苦手やねん


生まれつき男はんと
生まれつき男みたいなんでは


わて、どないしたかて、偽物やん…



羨ましいてしゃあないわ

堂々と、武士として生きたいもんやな





感情を読み取られるのも嫌やから

なるべく、皆と話をする時は江戸言葉を意識してる


副長からは

「冷てぇ喋り方だな?クククッ」

と笑われたが、別に冷たくてええ





馴れ合うこともせんでええ




副長にさえ、認めてもらえたら





それでええねん