【沖田総司】



こんなに烝が苦しんでいる

今まで支えてやれなかったことに

悔しさがこみ上げる


「逃げるのやめて、おめぇも新選組にどうだ?」


土方さんは、余裕綽々な顔で言ったけど…


「こんなん主君でええの?アホやん!」


と、君ちゃんに指を指され


永倉君は、爆笑するし

僕らは、君ちゃんの相変わらずの

思考についていけず

苦笑いした






君ちゃんは、またどこかに行ったけど…

烝は、土方さんの説得で、また新選組に

戻ってきた

新しい女中が入ると

烝は、全く僕らの前に姿を現さなくなった


土方さんに呼ばれた時だけ


姿を見れるけど…

恋仲なのに、皆に認められたのに


僕と話どころか、目も合わせてくれない



相変わらず天井で寝てるらしい


本格的に寒くなってきたから


また風邪をひかないか心配だよ


烝の事ばっかり考えて、モヤモヤする


山南さんに聞いて貰おう



「山南さん 総司です」

声を掛けると山南さんが襖を開けてくれた

「あれ?烝?」

「しーーーやっと寝てくれたんだから」


起こさないように静かに烝の横に座る

早速、風邪を引いたらしい


苦しそうにふぅふぅ言っている


「意地張るもんだから、これですよ」


笑いながら、烝の額から手拭いを外した


「同じ歳なので、気兼ねがないというか
ここに息抜きにくるんだよ」


僕と一緒だ


「僕も山南さんに癒やされたくて…」

「ふふっ ありがとう
君達は、恋仲なのにここでは
なかなか話も出来なくて、寂しいだろ?」

「はい…」

「ふふっ 山崎君も寂しいって言ってたよ
寝込んだ事、土方君に伝えてくるから
看ててもらえるかい?」

「はい!!」

「んーーー」

わわっ ついつい大きい声が!!!


「起こさないようにね!
寝かせるの苦労したんだから!」




烝が寂しいって、山南さんに言ったの?


ふふふっ



可愛いなぁ