【沖田総司】



土方さん 永倉君と三人で療養部屋の
襖を開け、硬直している


僕らが斬るはずの二人が


すでに亡くなって、綺麗に身なりを整えてあった

その二人の間で、ジッと座っている

その人物が、二人を送ったことは
間違いない



立ち上がり、ふらっと振り返った

烝は、無表情

「非番ですので、出かけてきます」


朝の挨拶も

どうして二人を送ったのかも

何も語らず

冷たく言って、僕らの間をすり抜けて行った





朝餉の時


「へえ~ なんだ
逃げてるのかと思った」


藤堂君に少しイラッとしたけど

ここでは、僕は山崎君が嫌いということで
とおっている



黙って味噌汁を啜った



「何も知らねえだろ平助!
山崎は、医者なんだ!
誓いをたててたんだ!
二度と人の命を奪わないとな!
どんな気持ちで誓いを破ったのか
ちったぁ思いやれ!」


「…すみません」



藤堂君は、素直な性格

だけど、思ったことをそのまま言い過ぎ!


相当しょんぼりしてるけど


土方さんの言うように


烝は、今


辛いはずだよ…