【土方歳三】


「では、明日の夕餉には戻りますので」


隊士らの看病が終わり

二日間の非番が欲しいと言ってきた

山崎には、自由をやっているが、そういや

休みは一度もやっていなかった

初めての非番だ



「ちゃんと休めよ?店も出るなよ」

「心配するおかんみたいや…」

「は?」

「いえ 失礼致します」




山崎にとって、俺は主君なのだ

だから… 笑いをこらえて

後ろを向き、襖に手をかけた



「あ おかん言うのは、母親の事やで」

「るせぇーよ!!サッサと行きやがれ!」


わからないから、は?って言ったんじゃねぇーつーの!!


年上だからか、時々

俺を馬鹿にして、からかっていく



山崎の閉めた襖をしばらく眺め思う




行き先も告げず
何をするのか


気になるが、山崎から休みをとりたいと言われた時


なんとなく



あぁ 元旦那に会うのか



と、勘が働いた




初めての非番だと思うと、行くなと言えず

黙って送り出すことにした




〝もしも… 戻って来なかったら…〟





情けないことに、主従関係にありながら
そんな不安でいっぱいだ


それは、やっぱ



惚れてるからだな…