山崎君は、僕ら幹部以外の前に姿を出さない


しかし…


それも、今日まで







どうして表に出ることになったかというと


怪我人と病人が増えたから



医術の心得がある山崎君が看病することに

とりあえず、怪しい奴と思われないように


「新しく入った医務方の篠塚岸三だ」


これまた、冷たいこと


愛想がないのは、前からだけど


喋り方から、目など


近寄り難いはず




幹部も用事がない限りは、山崎君と接点を
持たないように言われた



監察方の仕事は、一先ず島田さんと尾形さんがやっている




とにかく忙しいようだ



店も休んでいるけど、昼夜問わずだから


「山崎の負担をへらさねぇとな…」


会議で、土方さんが提案した




「どうかな?女中を雇って、昼間だけでも
見て貰うのは?」



山南さんが当たり障りない意見を出す


「それがよ あいつ、女中雇う金があったら、薬買ってくれって…」



山崎君らしい…



「僕、手伝いましょうか?
ほら、僕が看病するって言えば
ひえーっとかいってすぐ治すと思うんです
どうです?」

「なら、俺も手伝おう」

斎藤君が乗ってくれた

「いいねぇ!!僕ら二人、隊士から嫌がられてるもんね!!」

「よし!総司!!斎藤君!!
しばらく山崎君の手伝いを頼む!!!」


「篠塚だからな!間違うなよ!」