心配されていた事態が起きた


僕は、男達にベタベタ触られて
どうしたら良いのかわからない


山崎君は、うまくかわしているのに


男の手が僕の胸元に入りかけた


ヤバイ!!!




「あら?すんまへん
菊乃が怖がってますえ
やめとくなはれ」


山崎君が助けに入ってくれた


もうすぐ土方さん達が来る



どうにかしないと


男達を引き離してくれて

耳元で「もう少しの辛抱や」



また、男に体を触られだした

本当にどうしていいやら

しかも、今回は、しつこい!

僕が、抵抗すると激高してきた


スッと体を引かれ、僕の前に山崎君


「君菊が代わりをしてくれるのか?」

「うちらは、体を売りに来たんと違います
触らんとって下さい」

ふんっ と鼻をならして、男は強引に
山崎君を後ろから抱きしめた

「やっ!」

抵抗の声を上げたが

無理やりに男の手が、山崎君の胸元へ

「ほぉ」

「やめとくなはれ!!」


金縛りにあったのか?全く動けなかった

こんな経験は、初めて

必死に男を振りほどこうと、もがく

振りほどけないのは、山崎君が女だから?


「新選組だ!!!」


遠くで聞こえた土方さんの声に

男は、飛び退き

山崎君は、着物を正した



新選組の足音が近づいて来たとき



僕は、山崎君を抱きしめ
懐に隠した


「言わないから」


真っ青で、涙ぐんでるのは

僕のせいだから







「お…きた?」



会う度に嫌いって、言い続けた僕が
こんなこと言うなんて、信じられないのだろう


僕がヘマをしなければ、山崎君一人だったら、こんな奴に触られることもなかった


「弱みを握ってたら、いつでも団子の
お強請り聞いてくれるでしょ」


僕は、山崎君といたいんだ




山崎君は、チラリと顔を上げ


「うん 聞く」



僕は、恋に落ちた




いや… 違う



多分、最初から惹かれていたんだ