酔ったふりして、土方副長にひっつくと

「君菊が酔ったみたいだ 休ませてくる」


これから

芹沢の暗殺の実行


用意していた部屋で着物を脱ぐ

土方副長が簪やら外してくれて


「準備出来たか?」


原田と沖田が呼びにくる


山南副長と合流してから、八木邸まで走る


ちょっと飲み過ぎたな



「山崎 気をつけろよ」

「はい」



ワイは、人を殺すことが出来ない


そう最初に土方副長に言ったとき


「だろうな お前は、表向きじゃねぇ
俺が裏で上手く使ってやるよ」


そう言って笑った



忍慣れたこの八木邸に

そっと入り

中を見ると

芹沢は、愛人の梅と休んでいた



しっかり確認して、副長達の所へ


「梅がいましたが、二人とも休んでおります どうされますか?」

「行こう」

土方副長の言葉を聞き、再び屋敷へ

中から、門を開け入れる


二手に分かれ


中へ


門を閉め、人が来ないように見張る




断末魔の叫びが聞こえてから


四人が戻って来た

外へ逃げてから


また、島原の店に裏から戻った


用意していた手ぬぐいで

皆が体を拭く


ワイは、もたもたしてるふりして頭だけ

「先に戻っておくよ!」

山南副長が、原田と沖田をほいほいと
連れて行ってくれた

「また風邪ひくぞ 脱げ!」

「ほな、後ろ向いとけや!」

「るせぇな!手伝ってやるから
早くしろ!」

強引に脱がされて、恥ずかしい…

見られないように、ささっと着物を着る


「チッ 早えな」


なんやねん!チッて…

髪も結い直して、化粧も直して

よし!これで元通りや!


「消毒」


本日、六度目は土方副長で…

しかも、長いし 深いし

口紅とれるやん…

や、のうて!!

苦し!! 息でけへん!!


「下手くそ」

「あのなぁ!!なんやねん!
人の口で、遊ぶなや!!」

「色気のねえ奴だなぁ」


クククッ といつも通り笑った


土方副長の着物を少し摘まんだ


「斬ったんよな?」


聞いて良いのか、不安になったけど

聞いてみた


「ああ」


と、だけ言って

何度か頬を撫でられた


「泣くな…」


そう言って、口づけされた

今度は、すぐに離れていった


「泣いてへんし!!!」


土方副長をトンッと押し、化粧をまた直し


両ほっぺをパチンと自分で叩いた


「戻りましょか」