【土方歳三】



近藤さんと部屋の前まで行くと


近藤さんが、扉を開けるのを止めた 


〝二人きりにさせよう〟


近藤さんの目がそう言った





少しして、部屋から総司の叫びにも似た

泣き声が聞こえ

山崎が逝ったのだと…




ガチャ




「総司…山崎から頼まれてたんだ
海の臭いがするまで生きるから
水葬して欲しいって………」


「うっうぅ……はい」




「化粧や着物もないな…すまないね
山崎君… ありがとう」



山崎の表情を見れば、穏やかに逝けたのだと、そうやって送ったのは

総司


山崎は、総司が好きだった


お互いに想い合っているのに



こんな遠回りして、やっと元に戻れたのに



また、別れ






哀しみに涙を流した



ふと、廻りを見ると



怪我をして寝ていた奴らも



皆出てきて泣いていた




「山崎は、幸せな奴だ
こんなに大勢に見送られて」