烝から引き離され、布団に寝かされた

永倉君から、戦の状況とか

誰が亡くなったとか

色々聞かされた


吉村君が亡くなったと聞いた時は

驚いた


井上さんが亡くなったことも

僕より長く生きるはずだった人達が


命を落とした



僕は、涙が止まらなかった



「総司が、大阪に出立した日
山崎は、慶喜様の護衛をしててな
見送りに間に合わなかったって
泣いたんだぞ
もう会えないかもしれないのにって」

「僕、泣かせてばかりですね」

「そうでもねぇよ
あの山崎が…総司の部屋を使わせろって
土方さんに頼んだんだ
風邪ひいてでも屋根裏にいた奴がだぞ」

「なんで?」

「さみしかったんだとよ」

「え?」

「お前も、鈍いな?
総司の部屋で、総司が使ってた布団で
総司が見てた天井とか
山崎の元気の素は、全部総司なんだよ」


そうなの?


「ずっと追われる夢を見ていたらしくて
多分、総司といるときは、怖くなかったんだろうな……
俺が山崎を担いでたんだが、俺にしか
聞こえてない……
『総ちゃん、助けて』って何度か言った」


僕は、バカだ

烝がずっと助けを求めていたのに

気づかなかった


「烝を助けてあげたかった……
永倉君……烝と話がしたいよ……」





烝の声が聞きたい

烝と手を繋いで寝たい




「よし!待ってろ!
布団ごと、連れて来てやる!」





しばらくして、僕の隣に烝が寝かされた




烝の手…暖かい