【土方歳三】



山崎が仕事を片付けてくれたおかげで

余裕が出来た

もしも、戦になったら…という

予想を立ててみた


新型の銃がどのような物か

想像ができなかった


「副長」



天井から山崎の声



「なんだ?」

「只三郎の処へ行ってきます」

「ん」








二刻ほどして、戻ってきた


「副長 戻りました」

「おう 少し話そうぜ」

シュタッ


「なんです?」

「もし、戦で負けた時…どうしたらいい」

「そりゃあ…大阪にいる慶喜様に会い
今後の動きを指示してもらわないと」

「それから?」

「慶喜様がそれなりの役とやらに
つけなかったら、会津公を御守りするべきかと……てゆか、なんでわてに聞くねん」

「おめぇと考えが似てるから
同じかどうか、確かめただけだ」

「なら、その後は?」

「一旦、江戸に引き上げるかもな」

「幕府の船で…やな」

「お前、江戸は?」

「行ったことない」

「そうか」

「江戸も桜咲くよね?」

「ああ 当たり前だろ」


山崎が嬉しそうに微笑んだ

総司の事考えてる顔だな



「桜の名所、総司に連れて行ってもらえ」



「生きてたらね」



「そうだな…」





戦など関係なく、余命わずかな山崎

コイツの希望は、恐らく総司だけ