【山崎烝】


うっかり土方さんと寝てしまった

いつもの追われる夢を見て、起きた

土方さんを起こさないように

仕事を片付けた


まだ夜明けまで時間がある


二度寝するわけにも…


そうだ!朝餉作ろ!!!



んで、皆とたべよ!



こんな穏やかなんは、今日までかも


ワイが皆と朝餉食べるんは、久々やな


せやけど……


そない、驚くことないやん?


「どういう風の吹き回しだ?」

「別に」


説明すんのも面倒や

「これ、旨ぇな!」

「ほなワイのやるわ!」

「いいのか!?」

「味見で、食ったし、ええよ ほれ」


永倉は、煩いほど旨いと食べてくれた

斎藤は、また頼むと珍しく笑っていた

副長は、何やら不機嫌そうに食べてた


改めて見渡せば


近藤さん 山南副長 総ちゃん 藤堂

原田は、通いになったし

さみしくなったな…




「山崎 俺の部屋にこい」




怒られる?なんで?

副長に怒られることしたかいな?


「仕事、徹夜したのか?」

「へ? いえ、そのまま一緒に寝てしまったみたいで、起きてからですけど?」

「そのまま寝とけばよかったのに」


あら?さみしかったん?


「寝られへんから、仕事したんやで
別に、無理したわけやないで?
朝餉も皆と、久々食べたいなって
気まぐれで作ったさかい
料理して、気分転換出来ましたよ」


「まぁ いい
監察方の役割分担どうなった?」

「尾形と吉村の二班に分けました
島田は、こちらの指揮に回るかと思って
外してます」

「ちょうど、島田と永倉に頼むとこだった
で?おめぇは、吉村班か?」

「まさか!心配症のおかんがおるんで
そばにおるつもりや」

「……いいのか?」

予想外に、副長は嬉しそうだった

そして、ご機嫌になった


「人手不足になったら、出て行きますが
そうならないといいですね」


「そうだな
てっきり……お前は、止めても
最前線に行くとばかり……」


「戦で死ぬ気はないので
副長をお守りしますよ」


「ふんっ 頼もしいな」


「ふふっ たとえ、外に出ても
帰って来れる程しか出ません
心配せんで、ええからな」






生きて……



どうかしたら、総ちゃんにまた会えるかも



体力の消耗や胸の痛みをかき消すほど



総ちゃんに会えるかも、それが希望だった