【沖田総司】




「ゲホッ ゲホッ ゲホッ ……」


咳が一度出だすと、止まらなくなった

食事も食べるのが辛い


それでも、もう一度


烝に会い


謝りたい


食事の代わりに金平糖を食べていたら

なくなった


だけど、僕は薬を欠かさずに飲んでいる


烝より、一日でも長く生きる為


近藤さんも熱が下がっては、上がり

あまり良くなさそうだ




二人で、年明けの挨拶を交わした




「早く、戻らなければな…」


近藤さんも焦っているようだ


「そうですね…
戻りましょうね…」


戻って、離脱の挨拶をしないとね



近藤さんに憧れて、ここまでこれて

本当によかった



「近藤さん、僕を連れて来てくれて
ありがとうございます」


「なんだ?改まって?」


「いや、今までの事を振り返ると
本当に京に来てよかったと思ったので」


「総司のそれは、山崎君と会えたからじゃないのか?」


「違い…ませんけど~
家族よりも長く、深く付き合ってきた
仲間達と、過ごした日々があるから
僕は、病と戦えます!
まだまだ、死にたくないと思えるのも
やはり、近藤さんのおかげです!」 


「たくましくなったものだな
泣きべそかいて、何のために
剣を学ぶのかと
なぜ、なぜって、理由がわからないと
やりたくないと泣いていた
……あの、総司がな」


「土方さんは、うるせぇーって
ガミガミ怒ってたけど
近藤さんは、いつも僕の疑問に
優しく答えてくれましたね」


「総司の疑問は、人という様々なものに
なぜ、何のために生まれたのか
なぜ、生きることが難しいのか、とか
正直…素晴らしい子だと、感心した
このような子供が、しっかりと
志を探している、迷い悩み考え
ちゃんと生きてると思ったら
自分の子供時分に、ただ剣をふっていれば
それでいいと思ったことが
恥ずかしい程だよ」


「ただの我が儘だったんですよ
ひねくれ者なんです……僕
藤堂君の事、考えた事をそのまま言うから
品行がどうのと怒られるんだと
バカだなって、思ったんですけど……
僕は、もっと酷いバカです
頭ごなしに疑って、一番大事にするべき人を傷つけて……謝罪もしないまま
離れてしまって……」



「また会える
そう信じていれば、必ず会える!」



僕は、また近藤さんを尊敬した



「はい!! 信じます!!!」



近藤さんのように、心を強く

信じていなくちゃ!!!