【沖田総司】


王政復古の大号令があった

僕は、未だ近藤さんの別宅に、お世話に
なっている


薬と金平糖を持って来る吉村君から

幕府軍の撤退で、空き家となる

二条城の警備を近藤さんが指揮している

という話を聞いた


「山崎さんが、伊東派の残党がいるだろうから、あまり表にたって欲しくないって
訴えたんですけど… 
近藤さんも頑固ですからね…
沖田さんも気をつけて下さいよ!」





その数日後





吉村君が来て


「沖田さん、ここを出ますよ
さっ 早く!」


伏見奉行所に移った


「後で、本体もこちらに移りますから」

「ありがとう」


その日の夕方だった…


「近藤局長が残党に狙撃され重症だそうですよ」



奉行所の人から教えて貰った

ジッとしてなんていられない!

僕は、奉行所を出ようとした


入り口で土方さんがいた


「んなコトだろうと思ったよ
おめぇまで、撃たれちゃたまらん!
大人しくしてろよ!」


わざわざそんなこと言いに来たの?


「どうして撃たれたんですか!?」

「監察方もついてたんだ
防げなかった… 仕方ねぇだろ…」

「山崎君は、何してたの?
なんで、撃たれたりするの!?」

「近藤さんだって、覚悟して表に立っていたんだ!わかるだろ!!」

「山崎君、なんで守ってくれなかったの」

僕が、そう言うと

土方さんは、少し慌てて物影をみる


僕もそちらに視線をやると

吉村君が出て来た


「山崎は?」

「先に帰るって」


烝が、いたの?


「吉村 追え」

「どうせ帰る所は同じですよ

沖田さん… 監察方がついていたのは
事実ですが、山崎さんは別任務中で
近藤さんのそばにいませんでした
俺達は、忍
主の盾になることは、もちろん
主の仲間でも、盾になり守ります
だが、他の監察方はそんな教えを受けて
いません
山崎さんがついていれば、怪我をしたのは
山崎さんだし、当たり所によれば
死んでいたかもしれません
沖田さんが先ほど言ったのは、山崎さんが
怪我をすればいい、死ねばいいと
多分、誤解したと思いますよ」

「総司 近藤さんの護衛に当たっていたものは、死んだ
言葉は、武器だ… 気をつけろ」



土方さんと吉村君の言う通りだ


僕は、また… 烝を傷つけた