【沖田総司】




烝が風邪をひいて屋根裏で倒れていた

それすらも、僕のせいのようで苦しい


僕も体調を崩した


咳が酷く、辛かった


烝がそばにいてくれたら……


自分で遠ざけて、何考えてるんだか




近藤さんと土方さんが僕の部屋へ


「総司、すまんが療養の為、俺の別宅で
過ごしてはくれないか?」



近藤さんから、言われ



「わかりました」



僕は、素直に従った

吉村君に付き添われ、別宅へ


「沖田さん…これ、そこら辺で買ったと言えって、山崎さんから渡されたものです」

へ?

「吉村君……?
それ、言ったらダメなんじゃないの?」

「え?そうなんですか?」


わざとなの?

なんなの?


「え…でも、沖田さん喜ぶと思って」

「君が、そこら辺で買ったと言っても
僕は、これが山崎君からだと
気がついたよ……だって、これは
僕の好物だからね」

「すみません… 余計なこと…
だけど、山崎さんもさみしそうで…」

「君の主は、山崎君だもんね
僕は、山崎君を傷つけたんだ…
酷い言葉を言ったよ
本当は、この団子も、貰う資格ないんだよ
山崎君がまた笑えるように
助けてあげてね」

「沖田さん…」

「皆さんによろしくね」


お妾さんに通された部屋の布団に入り

まだ温かい団子で、手を温める



「沖田さん お茶どうぞ
お水も置いて置きますね」

「よかったら、お一ついかがですか?」


二つある団子を一つ渡し

二人で食べた


「これ、君菊ちゃんの団子ですよね?」

「え?どうしてわかるの?」

「餡子の味です
姉の深雪が良くくれたんです!
甘味屋の団子より、美味しいって
久しぶりにいただきました
おおきに!!」


そうだった……

このお妾さんは、深雪太夫の妹さん

君菊と知り合いでもおかしくなかった


「本当……美味しいですよね」


薬を飲んで、横になる


今度こそ、隊務に復帰出来ないかもしれない


そんな不安が僕を支配する