【山崎烝】



元々、一人や

なんともあらへん




屋根上で夜風に吹かれると

やっぱり寒い



風邪ひく前に入ろう



偉そうに言いたいこと言ったから

仕事もちゃんとせなあかん


藤堂は、説得に応じてくれるやろか?


効果的な策を練らんとな…


「山崎」

あれ?また、説教やろか?

シュタッ

「なんですか?」

「ヤケにならないでくれよ?」

「???ヤケ???」

「だから、皆と絶縁みたいなことだよ!」

「仕事の付き合い程度は、普通にしますよ
それだけですか?」

「……ああ」

「では、休みます」


屋根裏に戻って、柱に背中を預けた


山南副長のお茶…飲みたいなぁ

涙がとまらなかった


苦しい…


しんどい…


なんで、こんなに苦しいのに

総ちゃんが好きなんやろ…



胸が痛むのか、心が痛むのか

わけわからんまま



いつの間にか寝てたらしい




柱にもたれてたはずやのに

横になっていた


……動けない



体が重い 力が入らへん



死ぬんやろか……

















次に目が覚めた時は、副長の部屋やった


「わかるか?」

「……」

声出すのもしんどい…


「また風邪で、吉村が見つけてくれたんだ
ここ、俺の部屋
わかるな?」

小さく頷く


「熱が高いから、大人しく寝てろよ?」


動かへんし

また風邪か……


夜風が冷たいとは、思ったけど……


「水飲めるか?薬飲まねえと」


副長が体を起こしてくれて、唇に湯呑みを
傾けてくれた

水に解いた薬の苦いこと


どうにか飲み干すと、また眠り


起きては、飲みを繰り返すこと


三日間




「すみません……もう平気です」

どうにか気力で、体を動かせた

代わる代わる来る

見舞いに、面倒な態度で

失礼な振る舞いやったかもと反省しつつ



仕事以上の関わりにならないように



気をつける





元に戻っただけ!




そう言い聞かせ、仕事の顔を作る