【土方歳三】


「土方さん…山崎、大丈夫でした?」

「何がだ」


永倉が、申し訳なさそうに聞いてきた


「昨日の事です……蹴られてたから
あれ、結構真面にやられてたからさ」

「……普通に、俺の仕事を徹夜でしたぞ」

「あれ?……間違いねぇと思うけど?」


昼過ぎだが、山崎は寝ているかも


「わかった……後で、確かめる」

「俺、一緒に風呂入ればわかるけど?」

「おめぇなぁ~やめろよ!!!
今度、一緒に入ったら、謹慎にする!!」

「土方さんも一緒に入りゃいいだろ?
総司も誘って、賑やかに!どうだ?」


気をつかってるのか、つかってねぇのか

バカすぎて、わからねぇ


「俺だってまだ見たことねぇのに
お前と原田があいつの裸見てるとか
許せねえ……」

「……え?
土方さん……山崎と、恋仲だったろ?
総司は、ウブだからわかるけど……
本当かよ?」

「俺は、この前初めて菊を見た!!
察しがついてて、わざと知らねえフリすんなよ!!面倒くせぇ!!!」


「悪ぃ悪ぃ……クククッ
んじゃ、後で結果を教えてくれよ」



楽しげに永倉が出て行った

入って来たときのしおらしさは、演技か?



たくっ……山崎の奴…

なんで、怪我したなら

仕事手伝ったりしたんだ……



一刻後



「山崎」



試しに呼んでみる



シュタッ



動きは、いつも通り

「ちょっとこっち来い」


目を細め、あからさまに警戒する

「来いって」

「なんですか?」

「命令だ!来い!」

「くだらない命令するな!
用があるなら、言えよ!!」


山崎は、案外短気だ……

そして、主にもキレる



山崎が俺を好きになる前

総司と恋仲になった頃、同じやり取りが

あったことを懐かしく思う

来ないなら、俺が行けばいい


グイッ


逃げないように、肩を掴み


抱き寄せた



久しぶりだ…



相変わらず、細えな…