【山崎烝】



総ちゃんが隊務に復帰出来た


あんなに続いた熱が下がったのは

金平糖の力じゃないかと思った

薬よりよく労咳に効くんかも



今夜は、吉村と町の偵察



苦しい……


「山崎さん?少し休みましょう」


路地裏で、背中を擦られる


「……すまん」

「最近、ずっと看病で疲れが出たんでしょうね」



吉村には、永くないと言っていたが

回復傾向にあったから

自分でもがっかりしている


「治ったんかと思ってた……」

「少し、良かったですもんね」


よく見てくれてる…


「すまんなぁ」

「いいえ 頼って貰えて光栄ですよ」



総ちゃんの気持ちは、よくわかる


体が動くうちは、自分のやれることを
やりたい

新選組の役に立ちたい




わかるから




ホンマは、どんだけ体調が良くても
寝かせたいとこやけど

隊務復帰を許可した



コレが生きる源になって欲しいから




ワイも、まだまだ頑張って

働かなな



「吉村… 頼りにしてんで?」

「お任せ下さい!!」




少し胸の苦しみが落ち着いて

屯所に戻る途中


乱闘してるのが見えた


「永倉?」

「永倉さんの隊ですね」



明らかにおかしい


なんで一人やねん…


他の奴らどこいってん?


「屯所に知らせにいってるんやろか?」

「なんるほど、そうかもしれませんね」

「助太刀するぞ」

「はい」



顔を隠し、助太刀に入る

クナイと体術で、意識を奪っていく



「おう!悪いな!」



ずいぶん余裕見せ、声を掛けてきた


残念なことに、ワイは体が思うように

動かへん



ドガッ



思いっきり避け損なった足が

左の腹に入った


体が飛ばされるのがわかった


こんなに思いっきり技貰ったのは

久しぶりや


クルリと体勢を戻し、痛みに耐え

敵を倒した