【土方歳三】



山崎の奴……

最近、何考えてんだか

やたら、明るい


色んな隊士の面倒見ている


剣 体術 砲術 学問 体調の事 など


起用になんでも出来るから

隙がない







今日は、総司が体調悪く寝ている

山崎は、付きっきりになっている



仕方ねぇ吉村に頼むか…



「吉村 あっちの様子見てくれねぇか」

「それなら、先ほど見てきましたよ」

「だったら、報告に来いよな」

「俺は、山崎さんの部下ですから」

「その山崎の主君は、俺だ!」

「あっ!そうでしたね!
伊東は、また九州に行ったようですね
他の者は、目立った動きは、ありません」

「そうか、わかった」


伊東さんの事だから、また何か企んでいるはず


三日に一度は、山崎に様子を見に行かせている



総司の様子も気になるが、自室に戻った


「簡単に諦めんなや!!!
約束したやんか!!!」


隣から山崎の怒鳴り声が聞こえた

何事かと総司の部屋に行く


「どうした!?」

「労咳なんて、なりたくなかった
どうせ、治らないなら
もう、薬なんて飲みたくない!!」

「総司…… 病は、気からだぞ!!
弱気になるな」

「もう寝込んで随分たちます!
もう……隊務に復帰できないかも…」

「総ちゃんが隊務に復帰できるように
ちゃんと看病してるやん!!」

「烝だって、他の仕事があるんでしょ
僕のことなんかほっといてよ」

「総司!!!山崎が、お前の為に一生懸命
看病してるに、何が不満なんだ!!!」

「治らないんだから…
一生懸命する必要なんてないよ」

「ふぇっ……治る……総ちゃん……
頑張るから……諦めんといてよ……
約束したやんか……うぇっ」


山崎が久しぶりに泣いた

花が亡くなったときのように

ボロボロと泣いた


総司にしがみついて必死に


「治るから……」って、何度も呟く


「俺も、総司が病に負けるとかねえと思ってる!山崎の言うこと守ってりゃ
大丈夫だよ
だから、お前が弱気になるな!」


「……薬、苦いんだもん」

「こっ 金平糖買ってこよか!?」


涙をゴシゴシ拭きながら、山崎が総司に
詰め寄った


「うん 金平糖があったら、飲む」

「最近、なかったもんな!?
すぐ買ってくるさかい!寝とってや!?」


あんなに泣いてたのに、明るくなって

バタバタと出て行った


「あいつ、俺の許可取らずに行ったぞ…」

「クスクス 烝には、敵いませんね」