【土方歳三】




元々、働き者だつたが

記憶が戻ってからの山崎は、桁違いだ

俺が出掛けると言えば

尾形 吉村を誘い三人でついてきた


頭のいい尾形

口の上手い吉村

頭の回転が速く、口説き上手な山崎



正直助かった…




組織編成の際

一時、外していた

山崎と尾形を副長助勤に戻した

そして、吉村を剣師範にした


山崎は、監察方の仕事を指導したり


忍術を指南したり


何か焦っているように思えた



西本願寺が資金を出すから出て行けと


言い出し、山崎と吉村が移転地をみつけ

口説いた




慌ただしく、不動堂村に屯所を移転した





「副長、人手が増えることは、結構ですが
監察方の負担も考慮して下さい」


「そうだな… すまん… 頼り切りで…」


「頼って頂けるのは、嬉しいことです
出来る限りの事は、させて貰います」


笑顔でそう言った山崎の目の下には

クマがくっきり


山崎を懐に包み


俺は、心の休息をした



「もう少し…このままでいさせてくれ」



山崎は、俺に忠告してくれた

偉くなるなと


しかし、大人数になった新選組を


俺は、一人で背負っている気分だった


フラフラして、道を踏み外す


それが、怖かった


「大丈夫ですよ」


山崎に頭を撫でられると、不思議と

楽になる


「私は、貴方のそばにいます」


山崎の言葉は、いつも俺を癒やした