【土方歳三】




「お呼びでしょうか」

「おう 体調は、どうだ?」

「いいですよ」

「そうか 名簿の事だが…」

「何か問題でも?」

「お前いいのか?」

「武士に二言はない!ふふっ
別に偉くなりたいわけではないので
副長に使って貰えるだけで、十分です」

「わかった」

「副長…偉くならないで下さいね
今のまま変わらないで下さい」

「どういう意味だ?」

「芹沢さんみたいに、ならないで下さい
背負うものが大きくなると
フラフラして時に、道を踏み外す」

「肝に銘じとく」

「お目付役しときます」

「ふっ頼もしいな」

「恋仲でしたからね!へへっ」

「戻るか?」

「戻れませんよ」

「また、フラれたか」


こんな掛け合いを出来る仲になった


「副長…」

「ん?」

「ちょっと…ごめんなさい」


少し腰をうかせたかと思えば

山崎が抱きついてきた


山崎が俺の頭を撫でる


俺が手を背中に回すと


少し離れ、俺の頬に手を添えた

何考えてんだか、泣きそうな表情をして

口づけをしてきた


何かあったのか?


山崎からの深い口づけに答えながら

心配になる



ちゅっと音をたて離れていく唇


「大丈夫か?」

「うん 平気」



その日 

山崎は、永倉と原田と三人で出掛けていった



門限は守るが、なにやってんだか…