梅雨





大雨の日だった




山崎が、出産した


少し小さめな女の子だった


「頑張ったな」


「死ぬかと思いました」


難産だった




「可愛い」

「うん 可愛いな」



「小さいね」

「うん 小せえ」



山崎が乳を飲ませる姿は、やはり綺麗だった

母親なんだな



まだ起き上がれない山崎の代わりに

風呂に入れたり、世話をした



子供好きの総司は、しょっちゅう見に来た


「可愛いですね!!」


一度抱っこしたらなかなか離さない


「総司!もういいだろ!返せ!!」

「えーーもう少し!!」


すっかり父親な俺


名前を〝花〟にした



ぴったりだと思った


「あんまり土方さんに似てない」


山崎が言った


「いいじゃねえか、母親似でも」

「それじゃ、賢くならないかも…」

「なるよ」



数日後




突然 花が息を引き取った



俺たちは、呆然とした




なぜ、花が……




山崎が涙を流すと


総司がまた、手刀を落とし気絶させた