すっかり寒くなった

僕は、寝込むことなく

隊務をこなしている



烝は、また風邪をひいている

土方さんが看病する為、隣の部屋で寝てる



二人きりか…




ヤキモチを焼く資格もないことは

承知している




妊婦で風邪は、大変だよね




少し様子を見に行こう




いてもたってもいられず


隣へ




「総司…やっぱり、本当の事を言った方がよかったか」



弱気な土方さん


僕は、ふぅふぅ苦しそうに眠る烝の額に

絞った手拭いを乗せた


「僕は、記憶を戻す方法を知っています」


土方さんの目が大きく開かれた


「知った上で、土方さんに託したんです
今は、偽りでも
それが、本当になればいいじゃないですか
烝が僕と小菊が恋仲になればいいと
身を引いたように
僕も土方さんなら烝を幸せにしてくれる
そう確信しているから
もっと、本気で烝を大切にして下さい」


もう一度、手拭いを変え

部屋を出た



自室に戻ると、涙が溢れた










明日… 小菊に断りを言おう