【沖田総司】




幸せそうな烝を見れば

心が落ち着いた


よく笑うし


土方さんは、元々 烝が好きだから

大切にしている



僕が出来ることは、烝との約束を守ること



と、言っても薬を真面目に飲むだけ

薬を烝が管理して持ってきてくれる

前は、金平糖つきだったけど

今は、僕の好みなんて知ったことじゃない




「沖田さん お薬無くなる頃だから
お持ちしました
あの…これ、頂き物なんですけど
どうぞ」


刀の手入れ中だったけど

チラッと見る


「わっ いいの?ありがとう!!!」


金平糖だった


「ふふふっ お薬苦いですもんね」




烝が部屋を出た後

隣から土方さんが来た


「貰い物じゃねぇぞ
買い物行くっつたら、どうしても
欲しいものがあるってよ」

「どうしてだろ」

「さあな 総司が好きそうな甘味屋で
真剣に選んでたぞ?
飴にしようか金平糖の色は、どれとか」

「ははっ 嬉しいですね」

「素直だな…」

「土方さんの恋仲さんだとしても
未練は、ありますよ
元はと言えば、僕が不甲斐ないばかりに
傷つけてしまったのが始まりです
幸せそうに笑ってるのを見ると
ホッとします
僕に出来ないことでも、土方さんは
さらりと出来るから、不安が無くなって
落ち着いたんでしょうね」


「君ちゃんと俺は同じだ
アイツの気持ちは、思い込ませたもの
もしも、記憶が戻ったとき
裏切られた気持ちになるんじゃないかって、心配でな」


「土方さんは、土方さんで
悩んでたんですね」


「まあな
邪魔したな」


敵に塩


わざわざ金平糖が頂き物でないことを
言うなんて、随分な余裕なのかな


ただ、不安をぶちまけたかったのかな



そういえば…



烝のくれる金平糖は、いつもの袋

中身は、いつも違う色