その日


他の幹部さんにも同じ質問をした


皆、同じように


土方さんと私が仲が良かったと言う

やだな…私ったら、疑って


しっかり信じていかなくちゃ!!!


「クククッ 何一人で気合い入れてんだ」


「きゃあ!!!」


「うるせ!驚きすぎだろ!」

「ごめんなさい……あのお茶ですか?」


土方さんが炊事場に来るなんて

今までなかったから…


「仕事、終わったのか」

「はい 今、終わって一息したとこです」

「体調は?」

「いいですよ!順調です!」

「ここ座れ」

「はい」


私が座ると土方さんは、お腹に耳を当てた

「近藤さんから教えて貰ったんだ
こうするとお腹の子が動いているのが
聞こえるんだとよ」

「きこえます?」

「んー?わかんね」

「ふふふっ 私の耳は、お腹に届きません
土方さんよく聞いて下さいよぉ」

「んー お前の心臓なのか
コイツのかわからねぇけど
ドクドク言ってる」

「あははっ 私でしょうね
小さな心臓の音が聞こえるはずないもの」

「いや、コイツだな」

「えー?」

「間違いねぇ」

「ふふっ なんだか大きな子供みたい」


土方さんの頭を撫でた

すごくドキドキした


「なんか、心臓煩くなったぞ」


やっぱり私の音ね


「お父上がわかるのかな?」

「へぇ~いい子だな
俺達の子だ、賢いぞ!」

「ふふっ 土方さんに似てくれたら
賢いでしょうね
私は、取り柄がないので…」


土方さんが起き上がり、私の頬を摘まんだ


「よく働いてくれる
俺の子をここで育ててくれてる
立派な取り柄だ」

「私でなくてもできそうですけど?」

「お前がいい」


土方さんに抱きしめられた

どうにかなりそうなほど、心臓が早くて

息苦しい


「私も…土方さんがいいです」


私がそう言うと、土方さんは

とても驚いた顔を私に向けた

それが不思議でたまらなかった



土方さんをジッと見ていると



優しい口づけをしてくれた



うん、前にもこんな感じあった気がする


唇が離れると土方さんが離れていくようで


ぎゅっとしがみついた



「私……覚えてなくて
土方さんと恋仲だって言われても
イマイチわからなかったの
だけど… 土方さんの口づけ覚えてます」