【山崎烝】



私は、本当に土方さんと恋仲だったのかな



当たり前のように屯所で女中として
住み込んでいるけど


涼花という名前の他に君菊という


芸名がある



少し大きくなったお腹を時々撫でて

休憩しながら、掃除をする



門の外を掃除していると


可愛らしい娘さんが声を掛けてきた


「君菊姉はん?」

「えと……」

「小菊どす」


どうしよう…… わからない


「噂は、ホンマやったんどすな?
土方副長はんのややこを胎まはったて」

「ええ…まあ」

「仲良ろしかったもん!羨ましい!」

「そう?」

「へえ!!!あっコレ、沖田はんに
渡してくれまへん?」

「わかりました」

「おおきに ほな」




門の掃除を終わらせて、沖田さんの部屋へ



「あの、お手紙お持ちしました」

「……ありがとう」



沖田さんは、嬉しそうではなかった



「すみません……喧嘩中でしたか?」

「いいえ ちょっとね」

「沖田さん?私と土方さんって
本当に恋仲でした?」

「……そうだよ」

「そうですか……すみません
変なこと聞きました 失礼します」

「仲むつまじくて…お似合いの二人だ
町の噂になって、皆が羨むほどだったよ
君が記憶を無くして、土方さんは
すごくさみしそうだったよ」

「本当!?」

「僕は、君達が口づけをしているところも
見ている
君達が恋仲なのは、間違いないよ」

「/////ありがとうございます
そっか!本当なんですね!よかった!」



そうだよね

屯所で住まわせて貰えているんだもん


だけど…


近藤さんも

原田さんも



別宅を構えているのに…



おかしいなぁ