【山崎烝】



長い出張の間


いつも心にあったのは、総ちゃんに

会いたい

という寂しさ









屯所に戻ると

門で娘から文を預かる

確か、小菊


え?

総ちゃんへの文



吉村がおるし、冷静に振る舞ったが

ぶっ倒れそうやった


副長の部屋へ報告に行くと

総ちゃんの労咳を隠していたことを

副長に怒られた



それから、総ちゃんが過去

告白を断り娘が自殺未遂をした話を聞かされた


副長は〝総司を信じてくれねぇか〟

と言った


信じてるに決まってる


だけど…


断ることが総ちゃんにとって

つらいことなら


ワイがひくしかないやん



「何やってんだ?こんな所で…」



滅多に人の来ない場所で、気持ち悪くて
吐いていた


「具合悪いんじゃねぇか?」


声を掛けてきたのは、副長やった


息苦しくて、返事もできないでいると



「総司から聞いた…
俺が、言わなかったら
お前をこんなに追い詰めなかったな」


背中を擦られて、少し落ち着いてきた

副長は、わざわざ探しに来てくれた



「変な心配せんでええ…」



副長を押し退けた


「明日、医者に診て貰え」

「必要ありません」

「命令だ
診断書を貰ってこい」

「や…これ、ホンマちゃうから」

「命令だ」


いや、これ多分……