【沖田総司】



年明けに土方さんから、烝の文を渡された


〝おかわりありませんか
帰りは、春になります
桜を見に行きましょう〟


烝らしい短い文

でも、凄く嬉しかった




早く、小菊を断らないと…


春はすぐそこだから




「ケホケホ」











薩長が同盟を結んだ




近藤さんらが帰って来て



今年も健康診断があり


〝労咳〟が発病したことを幹部らに


知られた





桜が蕾をつけはじめた頃


烝と吉村君が帰って来た





報告等を終わらせて、部屋に戻ってきた

烝の手に、小菊からの文が



「外で託かって……いつから小菊と?」



烝は、冷静に僕に問いかけてきた


「断り難くて」

「そう……なら、うちが身を引くわ」

「え?」

「若い者同士、気が合うやろし
ややこかて、若い頃の方がええ
歳いってると、危ないからな…」

「そんな、僕は……」

「気使わんといて!大丈夫やから!」


深呼吸して


「薬は、きちんと飲んでいたようですね
これ、長州で仕入れた良い薬です
なくなる頃、またお持ちします」



烝を傷つけてしまった



でも



これでよかったような気がした


烝に労咳を移すわけにはいかない