壬生浪士組が発足して、少したった頃



大阪にて



壬生浪士組は

「ええい!退かぬか!!!」

大阪相撲の力士と、揉め事を起こした



事の発端は…



「いたたたたたたっ!」



無口でおとなしい斎藤一が、突然の腹痛を
発症した事

医者に診せるべく、急ぐ浪士組と
道を譲らない力士との小競り合い


話し合いとはいかず、筆頭局長である
短気な芹沢鴨が、力士を傷つけた


「あ~あ なんちゅうやっちゃ!」


通りすがりの薬売りが

芹沢をチラリと見て、力士を手当てした

「儂は、先に戻る!」

芹沢がサッサと宿舎に戻っていった





それから、斎藤を診た

「大事ないな!この薬飲んどき!」

斎藤に付き添っていた沖田総司が
あまりに手際の良い薬売りにたずねた

「お医者様ですか?」

「や 見ての通りや」

「貴方… なんか…女子みたいですね…」

「は?
ややなぁ~
女子顔のあんさんに言われたないわ!
ふんっ ほな さいなら!」

「あっ待ってくれ!助かった!礼を言う!
俺は、壬生浪士組 斎藤一」

「あ~ 壬生浪士組
ふぅ~ん 斎藤一ね
覚えておく」

今度こそ、その場を去ろうとしたが

「ちょっと!君!君も名を名乗ったら?」

沖田に肩を掴まれる

「なんやねん?通りすがりの薬売りの名前聞いて、どないすんねんな?」

沖田の手を払い除け、ひらひらと手を振って去って行った




「無愛想な人ですね!!!
それに、僕の顔を女子顔だなんて!!!
僕、あの人嫌いです!!」