少し話がずれてしまった。
当時の話に戻そう。

恐怖を感じた僕は慎重に歩き始めた。

歩こうと考える前に僕は死んだのではないかなどと馬鹿げたことを考えたのだが、あまりにアホらしいので記すことはしない。というか、したくない。

立ち止まっていても溜まっていくのは恐怖だけ。だったら動くしかないと思っていた。
動けば此処から出る手がかりが見つかるかもしれないという思いもあった。


今思い返すとなぜその考えしか浮かばなかったのか疑問に思う。
恐怖心を抑え込みそこに立ち続けていれば元に戻るなどという考えはなぜ浮かばなかったのだろう。まあ、恐怖のせいだろうが。
つくづく自分の弱さを思い知らされる。

あ。というか僕は頭が悪すぎる。
行動が浅はかすぎないか。

一歩踏み出した先に地面がなかったら。大気がなかったら。そういった悪いケースを考え出すとこの頁では収まりきらないほど沢山ある。

そんなことを考えても無駄だということを瞬時に理解し歩くという行動選択をすることが果たして僕にできるのだろうか。いや、恐らくは無理だろう。僕は臆病で慎重だ。まず最悪のケースから順を追うように考えていくはずだ。

まったく。

恐怖というものは怖い。