「今月も練習?」


これはいつも月の初めにきくこと。


答えはいつも決まってて。



「ごめん。今月もオフないんだ」


困ったように眉を下げて言う輝に、もっとわたしにかまって。なんて言えるはずがなくて。



「ううん。練習頑張ってね」



そう、精一杯の笑顔で言うしかないんだ。


「さんきゅ」


輝のさんきゅ、すきだなあ。とか思ってるうちに輝はすっかり夢の中。


疲れてるよね。毎日朝早いもんね。



わたしは輝が寝てる間に決まってあることをする。

きゅっと制服の裾をにっぎって。



「今日もお疲れさま。放課後も頑張ってね。でもね、もうちょっとわたしにかまってほしいよ。そろそろ寂しい。・・・・・・すき」


寝てる時にしか言えないよこんなこと。重すぎるし、迷惑だよね。



輝の寝息を聞きながら、わたしはいつも通り本を読んで時間をつぶした。