世界を敵にまわしても

「そうですか。


では、ちょっと診せてくださいね」



先生は笑顔で答え、


私の胸元に聴診器を当てた。



その瞬間、先生の表情が曇ったのを私は見逃さなかった。



「お母さん、いくつかお聞きしてよろしいでしょうか?」




私ではなく、



お母さんに質問を始めた。