世界を敵にまわしても

「あんな謝ることもろくにできないような男に惚れたら、泣くのはあんたなんだよ!」




「しかも、目つきが悪いし全然優しくなかったじゃん」



「さっきのだって、絶対『クールな俺』を演出してるだけだって」





「とにかく、あんな奴はやめなさい!」




エミは1人で一気にまくしたてる。



ちょっと!



まだ好きになったとは一言も言ってないじゃん。



ちょっとかっこいいかもって……いや、それさえまだ口に出してはいないのに。