世界を敵にまわしても

思えば、辛いことばかりじゃなかった。



彼を想う時間は、一方通行でも幸せだった。




忘れたくない、ずっと覚えていたい。




来年離ればなれになってしまえば、自然と薄れていく気持ちなのだと分かっている。




今こんなに夢中になれるのも、青春時代の一過性の熱病のようなものなのかもしれない。




それでもいい。





大切なのは過去でも未来でもなく今なのだから。




その大切な今、私にとって高塚君を好きでいた時間は何にも代え難い宝物だと思えるのだから。