俺じゃ…ダメ?




4時になり、麗香ちゃんと待ちに待った放課後デートが始まった。


とはいうものの、さっきから麗香ちゃんは何も話してくれない。



『麗香ちゃん、公園でも行こっか?』



そのまま麗香ちゃんの右手を引いて、公園に入る。


何か、話したい事があるに違いない。


でも…



『麗香…』


「へ?」



初めて呼び捨て呼びをして、恥ずかしい気持ちを抑えきらず、そのまま麗香ちゃんを優しく抱きしめてしまった…


でも、いいや。


このままで。


聞いて…



『麗香ちゃんの前だと、優しい気持ちで居られる。
だけど、それはどこか繕ってる…』


「うん…気付いてた」


『でも翼みたいに、またキツく酷い言葉で麗香ちゃんを傷付けてしまいそうで…恐い。』


「うぅん、うちは充分、傷付いてきたから、もう傷付けられるんわ慣れっこや」


『麗香ちゃん…』


「うちはもっと、素の梭冴くんがみたい。
なぁ、うちじゃ…あかん?
短気で…梭冴くんを困らせてばっかりやけど、梭冴くんをもっと知りたい!
…一応、彼女やん…うち。」



ごめんね…


やっぱり、麗香ちゃんは優しい。


気の強くて、短気で…


でも、笑った顔がたまらなく好きだ。



『麗香…』


「…っん…はっ…」



麗香ちゃんに何度もキスをする…


頬に手を添えて…