「去るもの追わずじゃなかったの…?」 そう言うと彼はあっと声をあげた。 「―――去るもの、追っちゃったな」 訳が分からないと言いたげな顔で呟いて彼は私の顔をジッと見つめた。 なぜか逸らしたらダメな気がして私も見つめ返す。 しばらくすると彼はふっと息を漏らすように笑った。 「俺の負け、責任とれよな」 渡されたのは先ほど私が返した部屋の鍵。 再び戻ってきた繋がりはどうやら前とは少し形を変えたらしい。