少女達。

そして久々に会うのなら絶対に場所はココだと決めていた。


電話越しに聞く圭の声は日に日に元気になっているような気がしたけれど、でもやっぱり昔とは違っていた。



黒髪のショートヘアに猫のようなキリッとした目や鼻筋が通ったその整った彼女の顔は誰が見てもクールで美人だった。


けれどもそんな見た目とは裏腹に圭はクールどころか、馬鹿で騒がしくて常にケラケラと笑っていた。



私はもう一度そんな圭が見たくて、そんな圭に戻って欲しくて彼女をココへと呼び出した。


案の定、ホールで楽しそうに踊る彼女は昔の圭そのものだった。


高いヒールを履いているにも関わらず激しいステップを踏んではフラつくその様子が面白くて思わず笑ってしまった。


するとと圭は少しムスッと拗ねたような表情をして見せた。


彼女は表情豊かですぐに気持ちが顔に出るので、わかり易いというか小さな子供のようで愛くるしいものだ。




「ちょっと休憩。
タバコ吸ってくるね」


先程、彼女はそう言って私の元を離れて行ったのだがなかなか戻ってくる気配がない。


ふと圭が去っていった方を見ると見知らぬ男に肩を抱かれ何やら楽しそうに話している。


その様子を見てなんだか安心した私は静かにその場を離れ先程いたカウンターへと舞い戻る。



「お姉さん可愛いね。
好きな物頼みなよ、一緒に飲もう」



すると早速私にもお声がかかり、お互い甘い時間へと溶け込んでゆく。