少女達。



「そう言えば…」


私はふと、ある事を思い出す。


「あんたはどうだったの?」



最初にした質問の答えを私はまだ聞いていなかった。



私の場合、彼女の性事情を聞きたい訳では無くただ心境を聞きたいのだ。



離婚してからと言うもの、男の人との関わりを一切持っていないと思っていた私は彼女をいきなりクラブに連れていったのは間違いだったのかもと後になって後悔をした。



圭の性格上、過去の男をズルズルと引きずり
それも彼氏ではなく旦那となれば心に大きな傷が残ったのではと。


しかし、彼氏がいた事を聞いてそんな事も無かったのかもと少し安心した。


「顔は男前だったし…
あっちの方も男前だったよ〜」


圭がワハハと笑いながらジョークを飛ばす。


「呆れた…」



私は冷蔵庫から更に2本、缶ビールを取り出すと1本を圭に差し出す。


「でもね…」



缶ビールを受け取りながら圭が消え入りそうな程小さな声で呟く。


「終わった後、すごく虚しかった。
あたし何してるんだろうって。

最中も思い浮かぶのは元彼の顔でさ…
笑っちゃうよね」



遠くを見つめる圭のその瞳は今までに見た事のない程に寂しげだった。