「圭が抜け出した後、私もすぐに男と一緒にクラブを出たよ。
1人でいたって仕方ないしね」
私がそういうと圭は「それもそうだね」と頷いている。
「それで…どうだったの?」
急にクルリとこちらに顔を向けたかと思うと
彼女はこれでもかと言うくらいのニヤケ顔を見せた。
そんな圭のニヤケ顔を見て、もう少しで口に含んだビールを吹き出すところだった。
「どうって…それはすごかったよ」
冗談のつもりでそう返すと圭は本気にしたようで1人キャイキャイと騒いでいる。
まるで中学生の男子のようだ。
人の性事情ほど、どうでもいい事は無いと私は思うのだが圭はそうではないらしい。
そう言えば彼女は昔から自分の事は一切口にしない。
そのクセに他人の性事情となれば洗いざらい
吐き出させそれを聞いては喜んでいた。
ただの馬鹿なのか。
それともただの変態なのか。
はたまたその両方か。
なんにせよ、人のそんな話しを聞いて何が楽しいのか私には全く理解出来なかった。
