少女達。




「勘で来たの。
それよりも家の鍵開けっ放しだと危ないよ」



あたしがそう注意すると直美はタバコに火をつけながら呆れた表情を見せる。



「どうせあんたがチャイムも鳴らさずに上がり込んで来るだろうと思ったから鍵を開けておいたの」



流石、幼馴染みだと驚いた。


直美にはあたしの事が全てお見通しだった。


「そう言えば圭、男と一緒にクラブ抜け出してたでしょ。
どうだった?」


どうやら直美はあたしが出ていくのを見ていたようだ。



「んー…
実はさ、あたし離婚してから1度だけ彼氏が出来たの」



直美は自分のした質問と全く関係のない答えが返ってきて不思議そうな顔をしていたが黙って聞いてくれているようだった。



「その彼氏はあたしより10歳年上だったんだ。
ほら、前の旦那は24歳だったけどガキみたいな奴だったじゃん。

だから流石に10歳も年上だと包容力があって心の広い人だろうなって思って付き合ったの…」



ずっと聞いて欲しかった。


心の奥底でモヤモヤとしていたこの気持ちを。


あたしの口から自然と心の声が零れていく。