少女達。



実は直美の家に行くのは今日が初めてだった。


実家には何度もお邪魔したことはあるが、
あたしが離婚したのと同じ頃に直美は一人暮らしを始めたのだ。



前にある程度の場所とハイツの名前を聞いていたので迷う事もなく、駅から10分程度で直美の住むハイツへとたどり着いた。



「確か4階の…401号室だったかな…」



しかし、何階の何号室までかはハッキリと覚えておらず曖昧な記憶を頼りに4階までの階段をあがっていく。


直美に連絡すれば済む話しなのだが、
面倒くさがり屋のあたしはそれすらも億劫なので自分の記憶と勘を信じる事にした。



これで間違っていたら大恥をかく事になるのだが、そこまで考えないのもあたしだった。



タバコのせいなのか、はたまた運動不足なのか
4階まで階段を登りきった頃には息切れをする程だった。


よろよろと401号室までやって来るとチャイムを鳴らすこともせずに勢いよく扉を開く。


鍵は掛かっておらず、玄関には昨日直美が履いていたハイヒールが綺麗に並べられていた。


なんとか大恥をかく事もなく直美の部屋へとたどり着いたようだ。