少女達。



ただお互い本能のままに体を重ねた。


激しく、深く。


彼が何度も耳元で甘い言葉を囁くものだから
まるでそこに愛が存在しているかのように錯覚してしまう。


けれど実際はそんなモノは存在しなくて、
彼がベッドの上で零す言葉達は場の雰囲気を盛り上げる為のものだとわかっていた。


彼の言葉を全て鵜呑みにしてしまうほどあたしが馬鹿で鈍感ならば、この一時はとても幸せで楽しい時間となっただろう。


でもこういう時だけ頭の賢いあたしが

変に現実を見てしまう自分が嫌になる。



「あっ…ん…」




この行為にはなんの意味もない。


そう分かっていながらもあたしは甘い声で鳴き続けた。


もしかしたらこの行為が終わればお互いの心が惹かれ合うんじゃないか。


もしかしたら2人の間に愛が芽生えるんじゃないか


身体から始まる恋だって実際にあるのだから。




「っ…イっていい…?」




彼の声であたしは現実へと引き戻される。



「うんっ…」



小さくそう返事をすると、彼はまた唇を奪っていく。


あたしは彼の背中に手を回すとギュッと爪を立てた。



虚しい。



寂しい。



埋まるハズの心の穴が、埋まらない。